2013年03月17日

講堂落慶記念行事ご案内

久しぶりのブログです。
きっとこの観音寺は休眠状態と思われていたやもしれない。
振り返るとここずっと様々なことに向き合い、加速度的に過ごしてきた。従ってこうしたブログのようなある種の日記はついつい優先順位が下がってしまった。

さてさていよいよ「講堂」のお披露目を来月4月に一斉に行うこととなった。講堂は(通称サマヤホール)、おとなと子どもが学ぶ人生の道場と位置付けている。ここでの学びは画一的なものでなく、教条主義でもなく、人がより善く生きるための普遍的な価値観でありたい。志は常に高く、こころは柔らかく、値打ちのある学びの場を作ってゆきたい。うまくいくかはわからない。けれどこの寺が本質として進むべき方向はそうでなければならない。結果はすぐに出なくてもいい、善き種を植え続けること。たくさんの試練もあろうが、たくさんの出会いや喜びもあろう。私も人生は後半戦だ、今から後生の準備もせねばならない。講堂はこの寺にも、私にも大きな節目なのである。

講堂落慶記念行事は5つのイベントで構成されている。
其の@ 4月6日 記念講演会として鎌田實先生をお迎えする。鎌田先生の講演が80分、その後、先生と私の対談が30分。先生のサイン本もおわけします。

其のA 4月13日 落慶法要と式典。通常、寺院のお披露目はこれが中心であるが、今回はこれもその一環。飲み物や軽食を用意してパーティー形式の祝宴あり。

其のB 4月20日 記念奉納としてインド古典舞踊、ベトナム楽器・トルンとヴァイオリンの演奏。芸術三昧です。

其のC 4月28日 記念落語会。アマチュア落語家さんと上方落語界期待の噺家「露の団姫」さんがたっぷり笑わしてくれます。

其のD 4月29日 調べの法要。智山尼僧の会のみなさん、ご詠歌の方々、雅楽師がそれぞれ聞かせてくれます。最後は三者による「結願法要」をもってこの記念行事が終了します。

◆各行事には参加奉納料と事前申し込みが必要です。
◆個別券(@2,500円)と通し券(@10,000円)の2種類があります。

内容、申し込み方法は観音寺ホームページをご覧下さい。
 http://www.k4.dion.ne.jp/~kannonji/ceremony.html

多くの方のご参加をお待ちしています。



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2012年03月03日

講堂進捗状況最終版@


建設しておりました講堂が出来上がりました。
役所の完了検査も合格し、先月28日に施工元から引渡しとなりました。とはいえ、若干の手直し工事が残っています。外溝工事もこれからです。

まずは内部の様子をご紹介します。
講堂内部@.JPG
これは講堂のステージ上からのアングルです。
しっかりとしたステージを設けています。大型スクリーンも付けましたので、いろんな企画が可能です。想像以上に音の反響もいい具合です。開放的でありながらも濃密な空間が出来上がりました。

これは講堂内の装飾の一枚です。
講堂内部A.JPG
いわゆる欄間に相当する処です。順逆の「まんじ」を入れました。密教では順周りも逆も用います。なお真中が空いていますがここには私が筆を執った梵字が入ります。現在製作に向けて調整しています。

この続報は後日に。
なお講堂のお披露目は来年(平成25年)4月を予定しています。今回の再興事業はまだ前期が済んだところですので、講堂の使用はもうしばらく先というわけです。

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2011年11月22日

国王の威厳

以下の文章は平成23年12日1日発行の寺便り「自在力」に所載される巻頭言です。発行日より少し早いけれど公開します。

 「国王の威厳」
 11月にブータンの国王ご夫妻が来日された。新聞やテレビは連日ご夫妻の動向を報じていた。皆さんもきっとその様子を見たであろう。さてそこで問い掛けたい。テレビなどのメディアはなぜこの国王ご夫妻をしきりに取り上げたのか。次の中から考えてほしい。
 1、ブータンという国は「国民総幸福量」(Gross National Happiness) を掲げるユニークな国だから。
 1、被災地への訪問をされたから。
 1、お二人が美男美女であるから。
 さあどうであろうか。皆さんはどこに関心を持ったのか。結論として、圧倒的な割合で3番目であるようにテレビ画面やコメントを聞いて感じた。さわやかなお二人であるから衆目を集めて不思議ではない。でもそれのみの関心でこの国王ご夫妻のご真意やブータンのお国柄を見極めることができるのか。私の問い掛けはそこにある。

 ブータンはとても小さな国である。国土は九州ほどで、人口は70万。観音寺の在る港北区が33万人であることを思えば、その小規模さがわかる。インドと中国の間に挟まれた格好で、地政学的には困難な面も多い。仏教を国教とし、その教えはチベットの仏教である。ブータンは古くからチベット文化圏に属していたが、17世紀頃から独立の機運あり、20世紀初頭に現在の世襲制王国になった。かつては絶対君主制であったが、今は立憲君主制の国である。

 この国は仏教国であることを誇りにしている。その誇り高き国民性は、わが日本国にも同様のまなざしを向けている。つまりブータンは日本国を同じ仏教国と見ているのである。このことはダライ・ラマ法王が日本に来ては、「日本はチベットよりも早い時期に仏教が伝来した。だから日本は先輩の国です、そこで話をするのは恥ずかしいが」と謙遜されるのも同じこと。アジアの国々は日本を仏教国と認めている。それなのにわが日本国民はそうした矜持をどこかに置き忘れてしまった。私は無宗教ですと胸を張って主張する知識人などを見聞きすると、大きな虚脱感に襲われる。

 国王は国会演説をされた。そこで語られたのは日本への敬意と信頼と希望であり、国王の誠実さが如実に表れた慈愛にあふれる名演説であった。これほどまでにわが国を好意的に讃えてくれる国はそう多くない。日頃戦場と化した如くの国会を静寂な浄土のように思わしめた。ここに演説全文を紹介できないのが残念である。この演説全体を貫いている敬意と信頼と希望は、すべて仏教が説く大いなる慈悲心から起こるものである。

 国王ご夫妻は被災地にも赴かれ、祈りを捧げられている。東日本大震災翌日には国を挙げての法要を始められた。しかしこうした深い祈りは今回の大震災に限らない。平成7年の阪神淡路大震災の時にも、ブータンは他国に先駆けて日本政府にお見舞いを寄せている。その書簡には「わがブータンは経済的にも人的にも支援できるものは何にもない。しかし心の底からお祈りをすることができます」という趣旨のことが書かれていた。この正式文書のことを報じたメディアは極めて少ない。皆さんはそんなことが16年前にあったことをご存じであろうか。16年前と今回とブータンが取った行動は同じなのである。国王は言う「ブータンに暮らす者は常に日本国民を親愛なる兄弟姉妹であると考えています」「言葉に言い表せない非常に深い精神的な絆によってブータンは常に日本の友人であり続けます」と。私はあらためて「友好国」という意味を問い直す。友とする国とは何だと。

 真理をより所とする国王のいる国は幸せな国である。それに気付いている国民もまた幸せである。同じようにわが国は人皇125代の陛下をいただく国である。陛下もまた常に世の平安のためにお働きである。実にブータンと似ている。されど異なるのはこの幸せや誇りに気付く日本国民があまりに少ないことである。振り返ること1300年前、かの聖武天皇が奈良の地に大仏建立という大願を発せられたこと。あのご聖断によってその後この国に培われた智恵と慈悲は計り知れない。わが国民はそれを忘れかけてはいまいか。

 友なる国の王が示した威厳ある道標にわが道を重ねたいと願う晩秋となった。

ブータン国王の国会演説はこちらから
posted by kannon at 13:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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