2016年12月01日

矯正医療の現場

所属する会の研修で八王子医療刑務所を訪れた。DSC_0199.JPG

 これまで国内の各刑事施設に伺う機会はあるものの、矯正医療の施設は今回初めてであった。
矯正医療現場で日々尽力されている関係者の一端を拝見した。我が国が法治国家であることとその法をいかにきめ細やかに運用してゆく配慮が培われていることも伝わってきた。

 現在地に行刑施設がつくられたのが明治28年、1895のこと。すでにこの地にあること120年。それを物語るように巨木と化したサクラが何本も根付いている。と同時にこの施設の老朽化は著しい。寒々としたその空間ではあるが、何代にもわたって改修補修を繰り返しながら「できうる限りの矯正医療」を全うしてきた歴史を物語っている。矯正職員が准看護師資格を取得するための養成所を設置し、51期生になると。

 全国には医療専門施設に位置付けられる刑事施設は4か所。大阪、北九州、岡崎、そして八王子。中でもMRIを備えた施設は八王子のみで、満身創痍のような施設であるここ八王子が最も充実した医療施設である。
 休養患者と称する受刑者は身体疾患と精神疾患で大別されてそれぞれ区分された棟に収容、そのほか炊事や洗濯などの自営作業にあたる一般受刑者が別棟で処遇されている。これは医療刑務所の特徴であろう。
 病状が重篤な者、高齢化によって年間約50〜60名が死亡すると。終末期医療の課題も多いと聞いた。

 この施設も来年には昭島にできる「国際法務総合センター」の一角に移転する。120年のうちにすっかり住宅地に囲まれたこの歴史ある施設は姿を消す。こころとからだを病んだ多くの受刑者を見守ってきたサクラたちもその役目を終える日が近い。とはいえ矯正医療という分野は今後も必要不可欠である。深刻な医師不足、限られた財源、矯正事業への理解などには、まさしく智恵と慈悲をもって望みたいものである。
 意義のある研修に参加させていただいた。

 追記 八王子医療刑務所の詳細な取材を江川紹子さんがレポートしている。
     http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20160923-00062077/


posted by kannon at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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